ばいばい、津崎。



そのあと美貴や剛や哲平も津崎のことに気づいて駆け寄ってきた。

「旅行どこ行ったんだよ」とか「なんで携帯繋がらなかったんだ」とか質問攻めをされていて津崎は「北のほう。電波ない場所にいた」と簡潔に答えていた。


メインとなる灯籠流しは20時からで、それまでまた出店を見て回ろうと私たちは歩き出した。

さっきまで全然食欲が湧かなかったのに、津崎の顔を見たら安心して、あれもこれも美味しそうに感じてしまう私はなんて単純なのだろう。


色々と迷ったけれど、私が買ったのは林檎飴。ひと口食べるとコーティングされている甘いシロップと、中の林檎の甘酸っぱい酸味が口いっぱいに広がった。

可愛く小さいものを買うつもりだったのに、欲に負けて大きいものを選んでしまったため、自然とかじる口も大きくなってしまう。


めいっぱい口を開けたところで、隣を歩く津崎と横目で瞳が合い、「ふっ」と笑われてしまった。


「み、見ないでよ……」

やっぱり小さいのを選べばよかった。恥ずかしさで食べられずにいると津崎が「うまいの、それ」と林檎飴を指さす。