ばいばい、津崎。



剛が最初にたこ焼きを買い、続いて美貴もわたあめの店の列に並ぶ。他にもカラフルな水風船に金魚すくい。

キャラクターのお面やくるくると回るかざぐるまなどが売られていて、哲平に「なにか買う?」と聞かれたけれど、私は小さく首を横に振る。


……津崎はまだ来ないのかな。

頭はそればかり。


太鼓の音に導かれるように会場の中央に進むとやぐらが設置されていて、そこで小さい子どもたちが盆踊りを楽しんでいた。

甲高い横笛の音色に、すりがねの音が混ざり、とても心地いいけれど、私はひとりだけ浮かない顔。

もし、今日も津崎に会えなかったらどうしよう。私はなにしに過去に来たの?


迷惑がられてもいいから連絡してみようと、巾着から携帯を取り出す。そして津崎の番号を押して耳へと当てた。

プルルルと、呼び出し音が続く中、津崎は電話に出ない。諦めて切ろうとした瞬間……。


『なんだよ』

スピーカー越しに響いてきた声。


「え、あ、つ、津崎!?」

私は慌てて携帯を耳に戻す。


約2週間ぶりの津崎の声。相変わらず無愛想だし『もしもし』って出ればいいのにいつだって、つんっとした言い方。

それでも、嬉しい気持ちのほうが勝ってしまう自分が悔しい。