ばいばい、津崎。



乱暴に私からラムネを奪い取るとすぐに瓶を開けて、そのままゴクゴクと口の中へ。

顔を上に向けながら飲む津崎の首筋がなんだかとても男の子で、心臓の鼓動が速くなる。


「こ、このビー玉、頑張って取ろうとしたことない?」

私は気持ちが表に出すぎないように、わざとらしくラムネ瓶を左右に振る。カラカラと、ビー玉がガラスに当たって、瓶のくぼみをいったりきたり。

今思えばただのビー玉なのに、子どもの頃は魔法のガラス玉のように思えて瓶口に指を入れて取ろうと必死だった気がする。


「叩き割れば取れるよ」

私の純粋だった気持ちを壊すように現実的な言葉。


「津崎はそういうタイプだよね。取れそうで取れないっていう状況にすぐイライラしそうだもん」

「俺が叩き割ったことがあるかどうか知らねーだろ」

「あるよ、津崎は」

自信満々に言い返すと、返ってきたのは反論ではなく認めるような舌打ちだった。


海のほうを見ると3人が楽しそうにはしゃいでいた。波はとても穏やかで絶好の海水浴日和。


「なんかこういうのって、大人になってからじゃできないよね」

海なんてただ焼けるだけだし、海水に入ったあとのベタベタ感も気になる。だったら、屋内でのんびりして、美味しいお酒でも飲みながら涼しい場所で過ごしたい。

そうやって遊びにいく場所も時間の過ごし方も大人になってからずいぶんと変わった。