ばいばい、津崎。



日陰になっているから太陽の日差しは避けられるけれど、暑いことに変わりはない。

私は足を子どもみたいにピンと伸ばして、さらさらしている砂の中へと入れたりして遊ぶ。そして潮の匂いを感じながら、先ほど哲平から貰ったラムネ瓶を太ももに挟んだ。


突起がある玉押しと呼ばれるキャップを外して、瓶の口へ上からまっすぐに押し当てる。

そしてビー玉が落ちたと同時にシュワッと、炭酸が沸き上がってきた。泡がひいたタイミングで私はラムネをひと口飲んだ。


パチパチと弾ける炭酸と鼻を通り抜けるラムネの香りがなんとも懐かしい気持ちにさせて、唇から瓶を離すとビー玉がカランッと綺麗な音を奏でた。


「俺のは?」

後ろに目があるわけじゃないのに、津崎は背中を向けたまま聞いてきた。


「遊ばない人にはないよ」

「……あっそ」

津崎はビーチに来ることに乗り気ではなかったけれど、本気でイヤなら帰ることもできたから、ただ単にこういう遊ぶ場所に慣れていないだけなんだと思う。


「嘘だよ」

私はラムネ瓶を津崎の首に当てた。


「……っ、つめてーな!」

慌てて首もとを抑えながら顔だけ振り向く。


「ほら、津崎のぶん」

と、いっても私からではなく哲平と美貴が買ってきてくれたものだけど。

津崎は瓶を首に当てられたことより、私がフェイントをかけたことが気にくわないって顔をして、しぶしぶ体を起こした。