ばいばい、津崎。




高校の時に思い描いていた未来は、とても漠然としていた。

島での生活は慣れないことばかりで、いつかお金を貯めて東京でひとり暮らしをすることを夢みていた。

大人になれば自由も幸福もなにもかもが手に入ると思っていた16歳の私。


想像していたとおりの生活を今は送っているはずなのに、私は島で暮らしていた時よりも空っぽ。

怖いぐらい年齢だけを重ねて、大人になったふりをしているだけ。幼い16歳の心のまま私は26歳になってしまった。


いつまで過去のことに縛られてるんだって、笑われるかもしれない。いつまで津崎のことを引きずってんのって、周りから呆れられているかもしれない。


本当に、いつまで私は津崎への後悔を抱えながら生きていくのかな。


きっと、そこに期限を決めたくないのは私自身。

いつまで、じゃない。

いつまででも、津崎のことを考えている。


きみを、過去のものにはしたくない。

いつか、帰ってくるんじゃないかって。『山本』って私のことを呼びながら、あのニカッて笑う顔で、ひょっこりと戻ってくるんじゃないかって、今でもその願いが消えない。