「そりゃそうだけど。・・・・・・・怖いもん。」


雫が言う怖いは、きっと自分の存在が両親に認められていないって思ってるから。


でも、そこを乗り越えないといけない。


「雫。大丈夫。俺がここにいるし。だから、ちゃんと話してみてよ。もし、ダメだったらまた俺のところにくればいい。」


「・・・・・・・・本当に?いいの?」


「いいよ。だから、頑張って来てよ。」


「・・・・・・・うん。分かった。」


やっと決心がついたみたい。


良かった。


「じゃあ、今日帰って言ってみるね。魁音、・・・・・・・・・・・応援してて。」


「うん。応援してるよ。大丈夫。」


「うん。・・・・・・じゃあ、またね。」


「おぅ!またな!!」


病室を出たのを見届けて俺は布団に潜り込んだ。



堪えていた涙が止まらない。


「クソッ・・・・・・どうして、俺はっ!!」



後悔、憎しみ、悔しさ。


1番、嘘をつきたくない相手に嘘をついた。


自分で言ってて情けなくなる。