ほーら。


また始まった。


私のことなんてこれっぽっちも気にしない。


もうどうだって良いけど。


私は口から出そうになった言葉を飲み込んだ。


なんで離婚しないの?


もう、言えたらどうなるんだろうか。


私は何も言えずに自分の心を隠した。


家から1歩外に出たら、私は何も無かったように笑う。


学校での笑顔は引きつってるかもしれない。


でも、今の私には心から笑える場所があるから。


学校が終わると私はまたいつもの場所へ。


「魁音!!」


息を切らしながら走ってきたおかげで髪はボサボサ。


「あっ、雫!おかえりー。」


「やっぱり今日も負けたかー。早いんだから。」


美紅さんのお店に入るともういつもの椅子に魁音は座っていた。


「あれ?魁音風邪?」


いつもはマスクなんてしてないのにマスクをしている。


それに顔色もちょっと悪そう。


「まーね。そんな所。」


「ふーん。無理しないでね。」