「雫、もう一回歌う?」


「もちろん!・・・・あのさ、次はなんか歌詞を決めて、魁音のギターに合わせたい。即興もいいけど、ちゃんと決めてやるのもいいかなって。」


「そうだね。じゃあ明日からやってみようか。俺も、作詞はやってるから。」


「えっ!?書いてるの!?」


「ま、まーね。下手だけど。」


そっぽを向いてしまった。


「見たい!!明日持ってきてよ!!」


「絶対そういうと思った。・・・・だから嫌だったのに・・・・。」


「いいじゃないか。久しぶりだろ?歌詞書くの。・・・・・雫がきっかけになったんじゃないか?」


リクさんが魁音を見て言った。


私が、きっかけ?


「私がなにかしたの?」


「まぁ、深くは言わないけど。雫の声は人の心を動かせるってことだ。」


「人の心?・・・・・・私が魁音の心を動かしたの?」


魁音を見ると何も言わずに微笑んだ。


嬉しい。


単純に嬉しかった。


私が誰かのためになれたことが初めてだから。