そして母さんが涙を拭いて俺を見た。


「・・・・・・・・魁音、精一杯生きてくれて、ありがとう。・・・・・・・・大好きよ。」


ありがとう。


母さんの口から言われたのは・・・・・・何年ぶりだろうか。


初めてかもしれない。


でも、


嬉しかった。


何より嬉しい。


初めて聞けた母さんの本音。


あったかい言葉。


母さんの言葉に安心したら、眠い。


眠くなってきた。


「・・・・・・・・・皆さん。今が最後の時間かも知れません。魁音君に話しかけてください。」


みんなが息を飲むのが分かった。


そして、智兄が俺に近づく。


「魁音。俺をお兄ちゃんにしてくれてありがとう。・・・・・・・ギター弾いてるお前は俺の誇りだ。ありがとう。」


智兄はそう言って俺の手をぎゅっと握った。


そして、リクが俺の反対側に来る。


「魁音。・・・・・ありがとう。雫のこと、俺に任せろ。お前の夢、叶えてやるから。」