さらっと出た言葉に、キッと睨み付けてくる翠。

だから、その態度が可愛いって言ってんのに…。


どうすりゃ、信じてもらえるものか。

俺は、カバンを持って、

「ほら、行こうぜ?」

と半ば無理矢理に翠の手を取って、席を立たせた。

その間も、「触るな」とか「変態」とか言われたけれど。

そんな抵抗は関係なかった。
だって、本気で嫌ならこいつは容赦なく振り払う事が出来る性格だから。