「あんた、何考えてんの?」



「ん?」



「あたしの事、なんだと思ってんの?」



「可愛い」



「は?」



「可愛いって思ってるよ」



「なっ…」



「意地張ってるお前も、頑張ってるお前も、ギリギリのとこで踏ん張ってるお前も、みーんな可愛い」





ボっと顔を赤くする翠は、俺が思っている以上に可愛くて、思わずスッと手を出して頬に触れてしまった。



「ちょ…っ」



「ん。やっぱ可愛いな」




にっこり微笑んだら、翠は何も言わずにざざざっ!と後ろに反るようにして下がった。