『じゃあ、今日はこの辺で…次回の委員会は…』


そんな進行役の言葉もどうでもいい俺は、頬杖をついて窓の外を眺めてた。

大体、委員会なんざ一回集まっただけでほぼ決まりだろうが。
ちまちま面倒くせぇ。
あーぁ。
雨降んのかなー。



「ちょっと!」

委員会を終えて、帰ろうとすると後ろから翠に呼び止められた。
その顔は燃えてしまうんじゃなかろうかと思うくらい真っ赤で、白い肌になんか映えていて…不謹慎だけど艶かしいと思った。


「なんだよ、翠?…一緒に帰るか?」


まぁ、ダメって言われても、この時間だし送るつもりではいるんだけどな…。
そんな飄々とした態度の俺にむかついたのか、頭から湯気が出る勢いで、こう捲くし立ててくる。


「なに?…っじゃないわよ!委員会中にふざけた事しないでっ!あんたあたしで遊んで何が楽しいの?!」

「遊んでなんかないだろーが。愛でてるだけだろ?」

「…めでっ?!…ばっかじゃないの?!」

カッカッと染まる頬は、実に素直だ。
本人もこれくらい素直だといいんだけどな。

「くっ、お前、茹ダコみてぇだな。うまそ…」

そう言って、ぐっと近寄ると両手で自分の事を抱き締めながら後退さっていく翠。