「はっ!?赤くねーよ!!ほら、行くぞ。離れないようにしろよ。」


って言うけどちゃんと私の手握ってるじゃん。


結局は心配してくれてるんだよね。


「あー!ワクワクしてきた!!」


「うん。俺も!!」


会場の中に入ると決勝で戦う2校がアップしていた。


1校はいつもウィンターカップに出場している常連校って東吾が言ってた。


もう1校は去年から力をつけてきた私達と同じ県の学校。


私達の一つ上の世代が凄く強くて、今年も強い選手が集まったって言ってた。


凄いな。


同じところに住んでいても上には上がいる。


「由紀!こっち座ろ。」


「うん!!」


「ここ特等席じゃない?めっちゃ見えるよ。」


「そうだね!まだ試合始まんないし、何か飲み物買ってこよっか?」


体育館自体そんなに暖かくないし、マフラーは私がしてるし、東吾寒いんじゃないかな。


「じゃあ俺買ってくるよ。ここで待ってて。」


「いや、私がいく!!だってマフラー借りちゃったし。そのお礼。」