昨日、気紛れに見つけて本心から助けた子。 真紅に似た長い黒髪を見ただけで心臓が跳ねた。 まさか本人ではないだろうと思って、でも真紅だったら……そんなことを思い、書類に顔を伏せ気味に廊下の端を通り抜けた。 真紅は何やら売店の袋を下げて、憂い気な顔をしていた。 ……もしかして自分を? そんなことを思ってしまった。 あの憂いの理由が自分だったら? もう逢えないものと思っているから? (いや、だからそんなことを) 考えるな。