+ 背中を張り付けた壁に、自分の脈動が移ってしまったようだ。 今目にした、愛しい子。 「何でここにいんだ……」 ここは紛れもなく病院。しかもかなりの病床数を誇る大病院である。 「まさか……傷、治らなかったとか……」 いや、あの折の傷は完治させたし、今も調子が悪そうなところはなかった。 「にしても」 何で。 逢わないと決めた子に、逢ってしまうのだろう。 そこにいたのは間違いなく真紅だった。