「婚姻⁉ 黎恋人いるの⁉」
お、食いついてきた。予想外に反応が大きい。
「ちょ、何夜道ふらふらしてんの! 私彼女さんに申し訳ないことしてるじゃん!」
え。
「ちょっと、まこ
「駄目だよ彼女さんいるのに私にこんなことしたら、私顔向けできな
「落ち着けって真紅。彼女なんていねえし……」
真紅から離されようとした手を、摑み返す。
震えていた。細く震えている。
申し訳ない? 顔向けできない? ……真紅に近づいたら、そんな風に思われるのか?
「……俺が真紅に浮気みたいな真似したから、申し訳ないって?」
「………」
真紅は首を横に振った。雫が飛んだ。泣いて……いるのか?



