好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「……黎がゲテ食いなんじゃなくて?」


「お前……自分のこと何て言い方すんだよ」
 

さすがに呆れた声を出された。


「つっても、俺は真紅のストーカーじゃねえし、真紅のことは何も知らない」


「知ってたら刑務所」


「俺は有罪確定なのか」
 

拘置所ではなかった。


「まー、だから? 真紅のこと教えてくれないか?」
 

また、背中には銀の月。


光を背にしたその姿が、微笑みかけてくる。