血が、蒸発……? 今、黎が倒れたと――? 真紅の背筋が冷えあがる。そんな―――
「真紅、行くぞ」
意識がはっきりしてなお、知らないはずの映像が頭の中を流れた浮遊感の残る真紅の手を引いたのは、白い陰陽師だった。
「はくちゃ……」
「白。情勢は」
「ここに来るまでに頭(かしら)を捕らえて来た。やはり真紅を狙ったのは烏天狗だ」
いつの間に来たのか、白桜と黒藤が話している。
白桜に手を引かれてあげた視界には、白桜の式の天音、無炎、そして金色の大鳥のままの涙雨と、紫色の髪をした青年――黒藤と無炎によく似た造形だから、この人が『無月』だろう――がいた。
天音は身の丈より長い大きな鎌を、無炎は日本刀を手にしている。
――何かと戦闘があったのが見てとれる。



