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少し寝ておきなさいという紅亜の提案に、真紅は大人しく従った。
本当に眠かったのだろうと、枕元のカゴで丸くなった涙雨は考えた。
今日は土曜日で、学校は休みだ。真紅は特にぶかつというものはやっていないらしい。
黒藤や白桜は陰陽師という性質上、夜に強いが、真紅は普通の人間として生きてきたのだ。
(縁(ゆかり)殿……仕組みおったな)
真紅と黎の予期せぬ再会。仕組んだのは、黒藤の式の一である縁だ。
縁はその名からわかるように、縁(えにし)の妖異だ。
人と人との『えにし』を繋ぐ妖異。あるいは、絶つ妖異。
真紅と黎の再会は、縁の――もっと言えば主である黒藤の企みだろう。



