「……じゃあ、何で、私……、血、飲まなかったの……?」 「飲んだよ。いただいた」 「――じゃあ!」 「言葉は護るよ。お前は、最期のときに一緒にいてくれるなら、最期のときに傍にいて手を握ってくれるなら、って言ったんだよ」 「………」 「だから、俺はお前と一緒にいるよ。最期の時に手を握っててやる。お前が天命を待って死ぬまで」 「―――」 天命を待って、 死ぬまで。 「私は今――― しぬべきなの。 ずっと鍵のかかった部屋にいた言葉。飛び出すならば、今しかない。