「兄貴、やっぱ熱烈歓迎なんだけど。さっさと戻ったら?」 「……そんな簡単じゃない」 黎が溜息をついていると、美愛が寄って来た。 「レイ、急にどうしたの? 小野様にはちゃんと話してあるの?」 「じじ――小埜のご当主には、式に言伝を頼みました。それより誠さん、美愛さん、話したいことが―― 「ママって呼んでって言ってるでしょ?」 と、自分と同じ銀色の瞳を向けてくる母。 「色々と無理です」