+++ 「お疲れ」 「待ち伏せやめろ」 もう昏い中、御門別邸への道すがら、白桜は黒藤に遭遇した。 「……大丈夫か?」 気遣うように言われたが、白桜は睨みをもって返した。 「……紅亜様はちゃんと送り届けたんだろうな?」 「それはもちろん。……あの、怒ってる? 真紅にばらしちゃったこと……」 「ああ?」 白桜が思いっきり睨むと、黒藤は大きく肩を跳ねさせた。