好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


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「お疲れ」


「待ち伏せやめろ」
 

もう昏い中、御門別邸への道すがら、白桜は黒藤に遭遇した。


「……大丈夫か?」

 
気遣うように言われたが、白桜は睨みをもって返した。


「……紅亜様はちゃんと送り届けたんだろうな?」


「それはもちろん。……あの、怒ってる? 真紅にばらしちゃったこと……」


「ああ?」
 

白桜が思いっきり睨むと、黒藤は大きく肩を跳ねさせた。