口の端に笑みを見せた白桜。白桜は、黒藤を高く評価しているようだ。
「……それって」
「どうした?」
「……私、には出来ない?」
「海雨の浄化を、か?」
驚いた響きの白桜の応答。真紅は肯いた。
「もしも……私に出来るのなら、私が海雨を助けたい」
「………」
白桜はしかつめらしい顔で真紅を見返す。
真紅はまだ、ただの人間だ。
生来の力が目覚めつつあるというだけで、本当に陰陽師性の力があるかもわからない。
真紅に強く出ているのが桜木の血だったら、という可能性もある。
「……それには、いくつか条件があるだろう」



