「そっか。よかった」 「……うん」 逢いたい。逢いに行きたい。その銀色の瞳を、また見たい。 何度でも、逢いに行きたい。 首に残った痕を心配して困ったような顔をしたら、大丈夫だよと伝えたい。 この痕のおかげで、生きているんだよと、言えるようになりたい。 (――言える自分に、なりたいんだ) 「桜城くん――架、くん」 「ん?」 「私、自分の血に、克(か)ちたい」