架と仲いいと思われていた時も大変だったのに、本当は女の子の白桜とまでヘンな目でみられては、それこそ厄介だ。
特に若君あたりに。
「そうか。やはり俺は普通の人間には悪影響が出ることがあるからな。
真紅の友人にも逢わないようにするつもりだから、少し遅れて行くことにするよ。涙雨、頼んだぞ」
……白桜の斜め方向への解釈に訂正を入れる間もなく、すっと逸れて行った。
残された真紅と架は、一度顔を見合わせた。
「なんか……すごい人だね、白ちゃんって」
「十六歳で、最大流派・御門一門の当主だからね。色々と規格外だよ」
架は疲れたように声を出す。
「桜城くんも……色々大変そうだね?」



