「俺はいないと思って話してくれていいよ。俺はあくまで、白桜さんが真紅ちゃんに危害加えないかの護衛だから」
架は頑として退かない。
血は繋がつながっていないと黎は言っていたけど、やはりどことなく似ている気がする。
「真紅。架のことはこの際気にしないで話そう。黒も紅亜様ももうここは離れている。戻って来ても入れないようにした」
白桜にも言われて、真紅は拳を握った。
「わかった……。白ちゃん、黎が死にかけてた私の血を吸って、後から自分の血を私に送って助けてくれたの、気づいてるよね?」
「……はあっ⁉」
「推測の域は出ないでいたが……やはりか。古人殿の心配もまさにそれだっただろう」
「ええっ⁉」
「「桜城くん(架)うるさい」」
いないと思えないほどのリアクションだったので、思わず真紅と白桜の声がそろってしまった。



