――おそらく白桜は、桜城家の内情を知っている。
紅亜が桜城家にあったことを知っているのかはわからなかったが、黒藤に押されても何も言わなかった。
それとも、一度言ったことは違えないということだろうか。
一気に、空間からヒトの気配が消えた。
感覚的にしかわからないが、母と黒藤はもう『ここ』にいない。
真紅が思わず首を巡らしていると、白桜はその様を見ていた。
「……架。お前の意思で残ったから言わせてもらうが、今後一切お前に言葉は許さない。言ったよな? 俺が用あるのは真紅だけだと」
「……承知しています。けど、いざ貴方が真紅ちゃんに害悪あれば、前言は撤回します」
「構わん。真紅。……おーい、真紅―」
「はっ、はいっ!」
母と従兄に気を取られていた真紅は、白桜に呼ばれて一気に意識が戻った。
「その様子では……視え始めているか? それとも聞こえるか」



