「真紅ちゃんには、今まで淋しい思いをさせてごめん。一人にするなんて、母親失格よね」
 

紅亜は、身のうちのどこかが痛いように顔を歪めた。
 

真紅はゆうるり首を横に振った。


「ううん……」


「……ママはね、ずっと一人で暮らしていたの」


「え? 彼氏、いるって……」
 

真紅が不審に思ったことは、当たっていたのか。


「いないわ、そんなの。……ママは、真紅ちゃんの傍にいると、真紅ちゃんを危ない目に遭わせてしまうようなものなの。だから……真紅ちゃんから、離れていないといけなかった」