好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



病院で真紅を見つけたとき、傍らにいた兄。


架が真紅の名を呼んだら、兄と真紅の間に割って入ったら、ものすごく不機嫌になっていた。


「……お前、なんで誤解受けるほど真紅の傍にいるんだよ」


「………だから家に興味持てって言ってるんだよ」


「お前こそ真紅のこと……」


「俺のはそういうんじゃない」
 

架が真紅の傍にいる理由は、恋愛感情どうのではない。
 

堂々巡りは、結局そこに帰るのだ。


兄が何も知らないから、真紅が何も知らないから。
 

架だけが、知っているから。