好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「だから、俺が一方的に真紅ちゃんにまとわりついていたって言うか。……みんなも真紅ちゃんと仲良くしたいのに、俺ばかり話しちゃっててごめんね?」
 

架の困り顔の謝罪に、女子たち、戦意喪失だった模様。


黎が小さな声で問うてきた。


「架って素であれなのか?」


「わ、わかんないけど……黎知らないの?」


「桜城の家にいる頃は、あんま関わりなかったからな」


「そうなんだ?」


「しかし……弟があそこまで出鱈目話が出来ると心配だな……」


「すごい口車だね……。私たち、いつから付き合ってる設定になってるんだろう……」
 

架の言い方では、真紅の彼氏が兄であると、早々に知っていた風に聞こえる。