好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】




「それで、こちらが彼氏の黎です」


『………』
 

翌、放課後。


黎は部外者なので、学内ではなく一番近い公園で、真紅は女子たちと向かい合っていた。
 

人数が昨日より増えているのは何故だ。
 

みんな、黎を見て呆然としている。


黎の美麗な見た目に魂抜かれているのか、それとも真紅に彼氏がいるなんて嘘だと思っていたのか。


「真紅が、みなさんに迷惑でもかけてしまったのか?」
 

黎が問うと、女子の間で視線が交わされる。


「そ――
「こういうこと、だったんだ?」


『!』
 

タイミングよく表れたのは、架だった。