本日行われる予定だった剛の歓迎パーティーは、幸珀のこともあって、急遽中止になった。


そのせいで、チョコケーキを食いそこねた。ちくしょう。食いたかったのに。



でも、パーティーに幸珀がいないと楽しめないから、仕方がない。

今日は我慢してやる。




「ねぇ、凛は幸珀の正体に気づいてた?」


「……」


「……そっか、気づいてたんだ」


「!?」




俺、何も言ってねぇ。


なのに、わかったのか?


なんだよそれ、最強じゃねぇか。




「え、エスパー?」


「あはは、違う違う!」


「じゃあ、なんでわかったんだ?」


「なんとなく、かな」


「すげぇな、お前」


「そんなことないよ」




京は照れくさそうに目を細めた。