真修も、知っていた?


あ、そうか。真修は幸珀と幼なじみなんだったな。



「そういえば、僕も最初は、幸珀が女だって見破ってたんだっけ~」


「俺も作戦前から知ってた」



3ヶ月前を回想しながらボソッと呟いた弘也の近くで、剛も真修に続いて吐露する。



弘也も剛も気づいていたのか。

女たらしな弘也と勘のいい剛なら、ありえるか。



「俺も、幸珀の正体を知ってた」


「鷹也まで!?」



戸惑いを纏った桃太郎の視線が、俺に移される。


桃太郎の動揺が伝染して、再び全体がどよめいた。



「なんでお前ら黙ってたんだよ!!」



叫び足りなそうに食いしばった桃太郎が、昔の俺と重なって見えた。




あの悪夢の日、俺も苦しさをごまかそうとした。


弱音を心の深くに押し込んで、悲しみと怒りを必死にこらえて。



けれど。

それじゃダメだと、俯いていたらずっと同じままだと、幸珀が冷めたコーヒー付きで教えてくれた。