窓の外はさっきと打って変わって、瞳を瞑りたくなるくらいの太陽と、それに反比例したひんやりとした風の共演。
思わずくすりと笑ってしまいそうな舞台がそこでは繰り広げられているようだった。



「…さてと…」


「直翔?」


「俺、ちょっとHR抜けるわ。あ、担任の阿部ちゃんには適当に言っといて」


と、ひらひらと佑介に後ろ手で手を振って、席を立つ。
背中に何か言いたげな佑介の視線か刺さるけど…敢えて無視をして、教室を出た。



「ま、ゆっくりでもいいから…確実に近づければいいか…」


たたたんっと軽快なリズムで階段を降りて途中の踊り場でそう呟いた。
そのまま鼻歌を口ずさみながら、学校を後にする。