「ごめん、茉莉亜…」


その日は、突然の梅雨入り発表があった日で。
あたしは、誰もいない教室で、付き合っていた一つ上の先パイから別れを告げられていた。
原因は、…ありがちな、向こうの浮気。
でも…それを知っても顔色変えずに、「へぇ…」とだけ言ったあたしにも非があったんだろう。

「茉莉亜は、俺じゃなくてもいいんだよな…」

なんて、言葉を付けて、彼は寂しそうに顔を歪ませると、そのまま教室を去っていった。