「春子、痛いんなら帰りな?
講義のノートなら取ってあげるし、出席のカードも翳しといてあげるから」


美緒が優しく私の背を摩る。


「でも、今日、感想ペーパーあるじゃん?流石にそれは出さなきゃまずい…
美緒、この授業取ってなかったよね…?」


友達も単位がかかっている。
これ以上の迷惑をかけるわけにはいかない。

先週も美緒に授業をサボらせてしまった。


「でも…」


「大丈夫、だよ!ちゃんと薬持ってきたし、これ以上酷くなる感じだったら、感想ペーパーだけだして、3限と4限はとぶから…」


心配する美緒に微笑みかける。


「無理、しちゃダメだよ?」


「おっけー」


美緒はその言葉を聞いて、後ろ髪を引かれながら講義室を後にした。