壊れものを扱うように優しく唇に触れ、一度離してまた重ね合わせる。
啄むようなキスを数回繰り返すうちに、どちらからともなく深いものへと変わっていく。
角度を変えては唇を奪う。いよいよ鈴音が立っていられなく、膝から崩れ落ちそうになった。
忍はすぐに腰に手を回して身体を支え、ひょいと抱え上げてソファに座らせる。
恥ずかしくて顔を上げられない鈴音を囲うようにして、長い腕を背もたれに伸ばす。
鈴音の耳元に口を寄せ、低く甘い声で囁いた。
「夜まではこれで我慢するよ」
鈴音は耳まで真っ赤にさせる。
勇ましい一面も持っているのに、目の前の鈴音は明らかにそわそわとして不慣れな様子だ。
そんな鈴音が可愛くて仕方がない。
「鈴音」
「は、はい?」
「あの日、出会った相手がきみでよかった」
鈴音の後頭部に片手を添え、胸に抱き留める。
忍の心音を感じながら、鈴音は眉尻を下げた。
「私もです」
鈴音がゆっくり仰ぎ見たのを合図に、忍はまた優しくキスを落とす。
「今夜からまたよく眠れそうだ」
その後、また鈴音の耳にぽそりとなにか囁き、澄んだ双眼を柔らかく細める。
鈴音は忍の目に、今日見た達磨山の美しい景色を連想した。
美しい風景に心を惹かれたのと同じ。
彼の綺麗な瞳に、きっとずっと心を奪われる。
そんなことが脳裏に過り、幸せを噛みしめながら、忍の首にそっと手を回した。
――【私も愛してる】
おわり
啄むようなキスを数回繰り返すうちに、どちらからともなく深いものへと変わっていく。
角度を変えては唇を奪う。いよいよ鈴音が立っていられなく、膝から崩れ落ちそうになった。
忍はすぐに腰に手を回して身体を支え、ひょいと抱え上げてソファに座らせる。
恥ずかしくて顔を上げられない鈴音を囲うようにして、長い腕を背もたれに伸ばす。
鈴音の耳元に口を寄せ、低く甘い声で囁いた。
「夜まではこれで我慢するよ」
鈴音は耳まで真っ赤にさせる。
勇ましい一面も持っているのに、目の前の鈴音は明らかにそわそわとして不慣れな様子だ。
そんな鈴音が可愛くて仕方がない。
「鈴音」
「は、はい?」
「あの日、出会った相手がきみでよかった」
鈴音の後頭部に片手を添え、胸に抱き留める。
忍の心音を感じながら、鈴音は眉尻を下げた。
「私もです」
鈴音がゆっくり仰ぎ見たのを合図に、忍はまた優しくキスを落とす。
「今夜からまたよく眠れそうだ」
その後、また鈴音の耳にぽそりとなにか囁き、澄んだ双眼を柔らかく細める。
鈴音は忍の目に、今日見た達磨山の美しい景色を連想した。
美しい風景に心を惹かれたのと同じ。
彼の綺麗な瞳に、きっとずっと心を奪われる。
そんなことが脳裏に過り、幸せを噛みしめながら、忍の首にそっと手を回した。
――【私も愛してる】
おわり



