それでも私は毎日毎日こうして弦の元へと訪れる。
この行動のお陰かお母さんもおばあちゃんも嬉しそうな顔をして、私を抱き寄せたりなんだりしてくる。
まったく私は何も抱いてもいないっていうのに。
どうしたら……変えられるか、それを知りたいだけ。
一つの行動で変えられるのは……分かってるんだけど。
それでもまだ、私は昔のまま。
だから、今日も――
「……今日は何するの」
「んー……じゃあ、紅の顔を見て会話をする!」
「……断る」
流石にそれは無理。
ハードルが高い。
そんなことしなくたって会話はできるんだから、これでいい。
握られた手にまた力が入る。
「どうしていつも帽子ばかり被ってるのさ」
「……なんだっていいでしょ」
「俺は紅の全てを知りたいんだ」
強い眼差しで私を見ているのが分かる。
それでも私はめげずに帽子を被り続ける。



