それからと言うもの私は毎日のようにおばあちゃんの家に足を運ぶようになった。
その都度弦は私に何かしらプレゼントしたり、一緒にどこかへ行ったり、料理をしたりと色々した。
時々顔を真っ赤にして何か言う事もあるけれど、私にはそれが理解不能。
おばあちゃんは苦笑しながら私を見て、弦を慰める日々。
そんな時、家に帰ってからお母さんから1冊の本を渡された。
「いい?紅。そろそろ女を知りなさい」
そう言われて読み始めた本は……“私”が知らない乙女という世界。
言われた通り読んで、それを実践させられる。
それが段々と身についた頃には、弦と過ごし始めて1ヶ月が過ぎた頃だった。
今日も深々と帽子を被り部屋を出る。
少し日差しが強くなってきたから帽子を深く被ってても変に見られることはない。
いつものようにおばあちゃんの家の途中の花畑へ。
そこで気持ちよさそうに寝ている弦の姿を見つける。
音もなく近づくと、目を閉じたまま弦の口角がくいっと上に上がる。
「……弦、また人格変わってるでしょ」
一緒の時間を共に過ごすようになったら、弦の人格の変化が分かるようになってきた。
そう私が言うとガバッと起き上がる。
大きく伸びをして、私の方へと振り返る。
帽子を抑えたままそっとその場に座ると、ズルズルと座る位置を変えて弦がやって来る。
少し構えると弦が帽子を抑える私の手に触れる。
「いつまでそうやって顔隠してるの?」
「……さあ」
「紅の顔まともによく見たことないんだけどな、俺」
「……見せる価値なんてないから」
身を引こうとするけれど、それよりも先に弦が私に近づく。



