「う、うん」


万純のいつにもなく凄まじい勢いに押され思わず、コクりと、首を縦に振ってしまう。


「よかった!じゃあ、決まりね。放課後、結茉のクラスに迎えに行くから待ってて。じゃあ、私、パン買いに来ただけだからそろそろ戻らないと」


"また、放課後ね"


と、最後にそう言い残し、万純は立ち去った。


万純の姿が見えなくなり、私は目の前のチキン南蛮に再び手をつける。


…万純に気を使わせちゃったな、万里くんも巻き込んじゃいそうで…申し訳ない。


そんな後悔が私の中で渦巻く。


それに、


"他に目を向けてみるのはどう?"


未だ、万純から言われたその言葉がグルグルと、頭の中を駆け巡っていて。



…ほんとに、それが簡単にできたら苦労しないのにな



と、私は心の中で呟くと小さなため息を漏らした。