"万里くん、おはよう"と、私が口を開きかけた瞬間、
「結茉ちゃんの彼氏さんですね?万里くんって呼んでもいいかな??今日は来てくれてありがとう。この前は、ちゃんと挨拶できなくて…結茉ちゃんと同じ高校の原田鞠子です。皆より、1つ上だけど気軽に名前で呼んでくれると嬉しいな」
と、自己紹介をする鞠子先輩。
そういえば、この間会ったときはお互い自己紹介する暇もなかったもんね。
「どうも。河村万里です。今日は誘ってくださってありがとうございます」
それに対し、ニコッと、爽やかに微笑み鞠子先輩に挨拶をする万里くん。
よかった、この二人は仲良くできそう
対応が大人だしな。と、安心したのも束の間、
「鞠子先輩、お待たせしました!………あれ、結茉?」
ようやく姿を見せた馨は、私の顔を見た途端、目を見開いた。
…なんか、様子が変だよね…?
馨のそんな表情に若干違和感を感じ、私は、横目でちらりと鞠子先輩を見る。
すると、
「馨、おはよう!ほら、今日はダブルデートするってLINEで話してたでしょ?」
と言って、彼女は馨に声をかけた。
「いや、それは聞いてましたけど……結茉と"ソイツ"が来るの俺聞いてない」
え、、鞠子先輩、私と万里くんが来るって言ってなかったの??