ニコッと、屈託のない笑顔で万里くんはそう言い放つ。
いやいや、彼氏じゃないですよ…!?
サラリと、嘘を言ってのける彼。
その瞬間、馨が私の手を掴む力が緩んだ。
「君は、自分の彼女を大事にしなよ?他の女の子と帰ってるの見たら、心配するでしょ?いくら、友達だって言ってもね。俺はそういうの嫌だし。結茉ちゃん、行こう?」
ギュッと、私の手を握り、万里くんは歩き出す。
そんな彼に連れられて私もゆっくり足を進める。
…確かに、万里くんの言うとおり。
二人きりで帰るのは、やっぱり鞠子先輩だって嫌なはず。
私は、置いてきてしまった馨のことを気にしながらも、万里くんの手を振りほどかなかった。



