「…それに、最近、ろくに話せてなかったしさ、友達なんだしたまには一緒に帰ったって変じゃねーよ」
"ほら、行くぞ"
と、私の腕を掴む馨はグイグイと、そのまま靴箱まで私を引っ張っていく。
確かにそうかもしれないけど…
「…わかった。自分で歩けるから手離して…」
馨の勢いに負け、私は、そのまま彼と一緒に帰ることにした。
「そうこなくっちゃ。俺も結茉に色々話したいことあったんだ」
「…ふーん」
興味のない振りをしていても、久々に隣を歩く馨のことが内心気になって仕方ない。
靴箱で靴を履き替え、そのまま校門に向かって歩みを進める私と馨。
「あ!結茉~そういえば、昨日の野球見たか??」
「見た見た。まさかあの場面でホームラン打たれるなんてね」
そんな、他愛もない話をしながら、二人で門を出ようとした時。
「結茉ちゃん」
そう私の名前を呼ぶ優しい声が聞こえてきた。



