あれから一ヶ月も建っているのに、そして男にしか興味がないと言われているのに、実はまだ吹っ切れていない私。

課長の声が聞こえればドキッとするし、ふとしたときに課長の顔が浮かんだりして。



本当は課長の顔をちゃんと見たい。

でも、見たら涙が出そうになるから見れない。


そんなジレンマに駆られていた。


馬鹿だよね、私。フラれたのにさ。

いい加減、忘れなきゃいけないのに。


そんなことを考えていたら、パソコンに映し出された文字が滲んでいった。
たまらず席を立ち、トイレへと駆けこむ。


……ダメだ、仕事中なのに。
集中しなきゃいけないのに。


個室の中で、声を押し殺して泣く。



まだ好きなんだ。

課長のことが。

消えないんだよ、好きって気持ちが。


どうにもならない思いが、涙となって溢れ出ていった。