夕依に相談してから1週間がたった。
あれからも相変わらず先生とは話せてない。

「そう言えば今日は舞桜が泊まりに来るんだっけ。」

お兄ちゃんと舞桜の仲の良さに、
少しだけ嫌気がさす。

「誰?舞桜って。」

隣にいるミサキに問いかけられた。

「お兄ちゃんの友達だよ。」

「へぇ、
呼び捨てってことは仲いいの?」

「んー、仲いいっていうか、
お兄ちゃんみたいな存在。」

「もう先生のことはいいの?」

「どうして?」

「もう好きじゃないの?
舞桜って人と付き合ってるんじゃないの?」

「先生のことは好きだよ、今でも。
舞桜は彼氏じゃない。」

「へぇ、どうだか。
そうやってチャラチャラしてるから振られるんだよ。」


普段から毒舌なミサキだけど、
今日はなんか違う。

軽蔑されてる感じ。

「何がわかるの、ミサキに…」

泣きそうになって、
教室を飛び出してしまった。

途中で夕依とすれ違った。

「秋桜、帰り校門な〜」

「わ、わかった…っ」

振り返ることは出来ないけど、
返事をすることは出来た。


トイレに駆け込んだ。

予想どうり、誰もいなくて安心した。


少しの間腫れた目を水で冷やして、
教室に戻る。

バック、ちゃんと持ってくれば教室になんて
行かなくて済んだのに。


十分前の自分を恨む。


バタンっ
ドシャンッ


そんな感じの効果音が聞こえた。