「ただいまー。」


お父さんが帰って来た。


私はリビングにいる2人に向かって言った。


「あの、話があるの。」


そう言うと2人はリビングのテーブルに座る。


私は2人に向かい合うようにして座った。


「どうした?」


「・・・・・・将来、何やりたいか決めたの。それを一応、報告しておこうと思って。」


「・・・・・・言ってみなさい。」


お母さんが私の目を見て言う。


「あのね・・・・・・・・私、作家になりたい。」


「「えっ!?」」


「大学は文系にして、日本文学とかそういうの学ぶ方にしたでしょ?それは作家になりたいから。・・・・・安定した仕事じゃないけど、私が見つけた夢なの。だから、その、」


私が言葉につまるとお母さんが言った。


「自分で決めたのなら、頑張りなさい。私は応援する。・・・・・・今まで酷い母親だったし。・・・・・・・私も、怜香の作った本、読んでみたいわ。」