がらん、と空いたりょーたの席。
担任の先生からは「沢木は家庭の事情により暫く休む」という淡々とした、短い説明があっただけだった。


りょーたがまるで最初からいないことが当たり前のように、いつもと同じく流れていく時間。


私は呼吸が浅くなっていくのを感じた。


だめ。
強くならなくちゃダメ、なのに。
りょーたと再会した時に、りょーたが驚く程、気持ちを強く持たなくちゃ…。
そう、思うのに、意志とは全く違う場所で警報みたいなモノが響く。

薄くなる視界。

遠くなる教室内の音。