はぁ。
疲れる…。

「好き、なのにな…。なんでだろ…」

こんなにも泣きそうなくらい、好きで好きで堪らないのに。
ななはそんなことどうでもいいみたいに…何時まで経っても俺の事を、幼馴染としか思わない。
それどころか、男としても見てくれない…。

確かに、昔は背も低くてどちらかと言えば女の子に間違われる事の方が多かったけど…。
今はこんなにも成長して、沢山想いをぶつけられるようになったのに。


全然届かない。
ていうか、逆に離れて行ってる気がする訳で。

幸せ、かぁ…。
俺、今そんなに不幸?
そうだよね、好きな子に好きな人が出来たんだもん、不幸じゃない訳がない。
だったら、いっそ。
誰かに幸せにしてもらった方が楽なのかな…。

「なんかもう、ダメかも」

仁が着替え終わって、帰ろうぜ!と元気よく声を掛けてくるまでの間に、そんな結論に至ってしまった。