戻れないと思うほど、滅茶苦茶に拗れてしまったのに。
どうしても、手放せないと心が叫んでる…。


あれから、何も考えられないまま数日が過ぎて、今年も残り3日となった。
俺は、2時間足らずの惰眠を貪り、そのまま最後の部活に参加するため登校する。
途中、仁が現れて、色々と気分転換にと話題を振ってくれたけど、それも上の空で仁はそんな俺に「無理、すんなよ」と肩を叩いてくれた。


あの日、ななが見せた涙の理由を未だに探してる。
そこからどうにかして、これからの未来を繋げないかと…まだ女々しく未練を持っている。

だって、どうしても…ななが欲しいから。
自分だけのモノでいて欲しいから。


「なっさけな…」

幼い頃からずっと、ななの一番傍にいられるのは、幼馴染の自分だけだと思ってた。
だけど…それが叶わないんだって痛感させられた今、幼馴染としてじゃなくて、ただの男としてななに俺を見て欲しい…そう思ったんだ。