「あたし、凌太があの子を好きでも、それでも好きだよ?それでも、…それでも凌太はあたしのモノにはならない?そんな可能性もない?」

「…ごめん。瑶。ほんとに、ごめん…」

「…凌太は優し過ぎるよ。もっと傷付けてくれたらいいのに。もっと突き放してくれたら、嫌いになれるのに…ずるい」

瑶の言葉は最も過ぎて、眩暈がしそうだった。
二つの瞳から次々に透明な雫が溢れ、頬を伝っていく。
俺は、それを拭ってやる事も出来ずに、ただ「ごめん」とだけ、繰り返した。



「瑶…少し歩こ?ここじゃ、上手く話出来ない」

「………ん」



街中で何時までも泣かせている訳にもいかず、俺は瑶に告白をOKした広い公園へと自然と足を向けた。


「……」

それに対して、俯いたままついてくる瑶はずっと黙ったままだった。